福祉車両改造に関わり始めたころはまだ、些細な改造を施した
部品(左ウインカーレバー等)でも福祉車両改造部品メーカーさんが
車両が入庫してそのクルマで実際の部品を作成して、その部品の図面や
書類を陸運局さんに提出して3週間くらい経つと陸運局さんがハンコを押した
認定書類が発行されるというシステムでした。
(確か横浜陸運局その書類の管轄支局さんだったと記憶しております)

その書類と実際の改造を行った車両を登録地の陸運局さんに持込みして
改造内容と書類を突き合わせて、初めてオッケーされるという感じ。

だから、新型車種の場合には車両入庫後、最速でもたいてい1カ月後くらいでないと
福祉車両として改造された自動車は街を走れなかったんです。

その時代は車検証の型式の欄の型式の一番最後の部分に「改」という
文字と型式指定・類別区分番号欄に記述をしてあった数字が「空白」になり、
一目でなんらかの改造が施した自動車であることが判断付くということになってました。

改造して車両を陸運局さんに持ち込んで、初めて登録されるという手間が
毎回、毎回発生していた訳です。
自動車ディーラーさんの1台成約した実績は車両登録できて初めて1台実績になるということで・・・
となると、「今月あと1台なんとか実績にしたい!!」という車両に福祉車両改造が
からむとなると・・・・「夜遅く何時になってもいいから改造作業やってくれぇぇぇ・・・・!!」となるんです。
ましてや、GW前・お盆前・年末・決算期となるとそりやぁもう、大騒ぎ。

「てんやわんや」とはこのことだと。

ある日、「登録が間に合わないぃ~!」と言うメルセデスベンツCクラスの左アクセル装置
改造車両が発生して、登録代行をせなあかんという事態に。
会社を見回すと俺一人・・・「マジかぁ・・・・・・ですよねぇ」

陸運局なんて自分が買った中古車の名義変更くらいしかしたことないしぃ。

とにかく、車両と書類を持って足立の陸運局へ。
書類は代書屋さんにお任せして、改造申請の場合の陸運局の回り方を教えてもらいました。

構造変更検査の1コースラインにならんで、その時を待ちました。
あの陸運局独特のみんなが手慣れた雰囲気(判るかなぁ)・・・ツナギの人々の中に
「なんか俺、浮いてる感ハンパないな」(本当はそんなこと全然ないんでしょうけど)

順番が来て
検査官が「書類出して、車体番号見えるようにしておいて」
俺「やばっ、ベンツって車体番号どこにあんだろ?」

そんだけで、もうパニクった。
あの手慣れた雰囲気と超アウェー状態にのまれて、いつもみたいに「判りません、教えて下さい」って
言えなかった。

コーションプレートを指さしたら、
検査官「車体番号が刻印されてるとこだよ!(語気強め)」

モジモジ、アタフタしていた俺に後ろに並んでいた業界色バリバリでダンプの構造変更に来ていた
らしきおっさんから容赦ないコメントが・・

おっさん「なにモタモタしてんだよ!暇じゃねぇんだよ!車体番号の場所もわかんねぇやつが
1コースはいんじゃねぇよ このタコっ!」

そのうしろのお兄ちゃんもクルマの窓から顔だして
「なにやってんだよぉ」・・って雰囲気丸出しの表情・・・
だったんですが、このお兄ちゃんが俺にとっての救世主!

自分のクルマから降りてきて立て続けに罵声を浴びることを想定していたら、
「このベンツだったら、だいたいここじゃねぇ?」って、座席付近のカーペットをめくってくれて
そこに「車体番号」が!

めっちゃ嬉しかった。
心の中では「おにいちゃん、ありがとう」と思っていましたけど、パニクっていてあんまり感謝の
気持ちを伝えられなかったのが心残りです。

それから、今に至ってもある意味「陸運局」はキライです。
なにも悪いことしてなくても緊張するし。
お酒飲んでなくても飲酒検問で緊張してしまう時とおんなじ感じ。

あの独特の雰囲気は、なんなでしょうね。

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清水深
どなたでも快適なカーライフをお過ごし頂けるように 自動車を改造することは決して特別なことではなく、必要なものを補う(アダプテーション) と言う信念で日々取り組んでおります。